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秋分と死者の書

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民俗学者である折口信夫氏が書いた「死者の書」という物語があります。

この物語の主人公は中将姫こと「郎女」で、奈良時代に実在した女性です。

郎女が春分の日、二上山に沈む太陽を見ていると、美しい男の姿がそこに現れます。

その男は飛鳥時代に実在した、天武天皇の子である「大津皇子」です。

大津皇子は謀反を疑われ21歳の若さで無念まま亡くなっています。

飛鳥時代と奈良時代、時空を超えて、春分の日に郎女と大津皇子は出会うのです。

大津皇子は死霊として毎晩、郎女の元へやってきては子孫を残せなかった無念をぶつけます。

郎女が大津皇子の恋人と似ていたからです。

私も行きずりの落ち武者の幽霊に寝込みを襲われた経験があるので、

大津皇子が郎女の前に現れる感じが、何となく自分の中で想像できます。

大津皇子は天皇家の血統であり、男でもありますから、

当然、我が血をひく子を残したかった。


郎女は大津皇子を慰める為に、秋分の日から蓮の糸で曼荼羅を織り始めます。

最終的に曼荼羅の中心の阿弥陀如来と大津皇子は一体化していきます。



春分に始まった死者との逢瀬は、大津皇子の願いは叶わずとも、

秋分に「曼荼羅」とう実を結びました。

大津皇子の望んだ事とは違う「形」で結実するのです。

それは天皇家の血筋(古来の神々)が、郎女の仏教信仰と結合するのと重なります。


今年の秋分のホロスコープを見ていると、この「死者の書」を如実に思い描けます。

太陽が天秤座に入った瞬間の天体図は、

乙女座の火星と魚座の海王星が180度で向き合っていて、

大津皇子(死霊)の激しい思念は、魚座の海王星(郎女の織る曼荼羅)で浄化されていくようです。

そして牡羊座の天王星と天秤座の木星は、

お互いのサインの最終局面に入った状態で180度で向き合います。

牡羊座の天王星(野生の直感)が、天秤座の木星(調和と許し)へ注がれる。

春分で始まった郎女と大津皇子の時間も距離も超えた交流は、

秋分で曼荼羅を織るという、実に調和の取れた美しい方法で融合するのです。

秋のお彼岸は命の分かれ目を示すものでもありました。

その年のお米の出来高を知る時期だからです。

この時期、私たちの祖先は冬を越せるか(生きられるか)どうかの審判を受けてきました。

不作であっても、もうどうする事もできません。

秋分の結果はあるがままなのです。

曼荼羅は非常に調和のとれた美しいバランスで構成されています。

それは悲しくても、 嬉しくても、不遇でも、

そこに自己を無くして無私の目で見つめると、

それは愛しい面影が残る、時間の一欠けらです。

秋分は、収穫した結晶(欠片)を構成し配置していくス新たなスタートライン。

ここからは、その個人の心持と、そして導いてくれる見えない声が大切になります。

10月に木星が蠍座に入るのと、今回の秋分図は一つの流れで捉えると良いと思います。

木星が蠍座に入るコトについては、また次回に・・・・。







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プロフィール

菫

Author:菫
西洋占星術師であり、星の画家です。
バースチャートの鑑定、そのチャートからリーディングした絵を描いてお届けします。
普段の私は紅茶とワインが好きで、歴史小説ばかり読んでいます。
星とは前世からずっと一緒にやってきて、
そこから神の意志を地上へ降ろしていました。
星のこと、精神世界との関わり、神様のこと。、絵のこと。
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